前回は施策が効果的かどうかを判断する際に「商圏にあっているかどうか」は最初の指標となるでしょう、というお話をしました。今回はさらに提案された施策や提案が自分や自分の組織にあっているかどうか、次の段階で考えると良いポイントに触れてみたいと思います。
運用者にとって無理なくまわせること
前回と同じくあなたがある商店の店主だったとしましょう。
「こういうふうにすればもっと良いWebサイトになります、売り上げ向上も見込めます。」という提案をホームページ制作会社が持ちかけてきました。
前回のお話ではまず自分の「商圏」と合っているか注意深く見てみましょう、というお話をしました。そこがある程度クリアーしたという上で、次の段階の判断材料となりそうなものは何でしょうか。
それは「運用者にとって無理なくまわせる内容か」ということになると思います。
Webサイトが普及し始めた頃から比べると、現在はさまざまなアピール手段があります。SNSしかり、ブログしかり。
Webサイトそのものも、初期のテキストとせいぜい画像程度のものから比べると動画を用いたものや凝った演出やデザインがなされたページ等、バリエーションは豊かになりました。それらをある程度セットにして「御社のWebサイトをこうすると良いですよ」と提案する形はビジネスの現場ではよく見られるかと思います。そしてそれはまた魅力的に見えることが多いですね。そこは相手もプロですから素晴らしいプレゼンを提示してくれる訳です。さてその段階では何に注目すべきでしょうか。
それは「運用者である自分やチームにとって無理なくまわせるものかどうか」だと思います。
改善して得られるものと労力のバランス
提案や施策を採用するかどうかの判断基準については、「改善して得られるもの」と「そのための労力」という視点を加えてみると判断しやすくなるかと思います。
「改善して得られるもの」は相手の話を聞けば大概のことは把握できると思います。たいていはそのプランの「もっとも魅力的な部分」になるでしょう。
それに対して「そのために割くあるいは付け加わる労力」については、いったん頭の中で自分や自社のWebサイト運用のフローに落とし込んでみる必要があります。そして「やれそうかどうか」想像してみましょう。こういう想定をするときはなるべく「具体的な作業」をベースに考えましょう。わからない部分は提案者に「具体的に」教えてもらうのが良いでしょう。良い提案者は親切に教えてくれるはずです。
言うまでもなく、たいていWebサイトの運用者はメインの仕事を持ちながらWebの仕事もしているパターンが多いと思います。ですのでそのWebサイトに関する限られた作業時間の中で作業ができそうかどうかを判断できる人は最終的には運用者その人です。ここは慎重に想定する必要があります。
それができたとして、さらに考えたほうが良い事柄があります。それは「新しいことに対する学習時間をどれだけかけられるか」ということです。
次回に続きます。