運用者に役立つWebサイトとは(その1)

今まで基礎的なSEO対策を、テクニカル面からの視線で解説してきました。今回からはテクニカル面からは少し離れて運用の現場で感じていることをベースに少し視点を広げて「運用者にとって役立つWebサイト」という観点から述べていきたいと思います。

20250208_blog image

運用者にとって「役立つ」とは?

あるWebサイトがあったとして、それが運用者にとって「役にたつ」または「役に立たない」というのはどういうことなのでしょうか。これはWebサイトが普及し始めた頃より問われ続けてきたテーマと言えるでしょう。そして今も問われ続けているとも言えるでしょう。

 

Webサイトが誕生した頃はとにかくオンラインに自分や自社のWebサイトが表示されていれば、それでO.K.という風潮だった気がします。最先端のものに関わっているというイメージを他人から持ってもらえることが目的だったからだと思います。単純化して言えばオンライン上にチラシがあればそれで良い、そんな風潮だった気がします。これは裏返して言えばWebサイトはまだメディアの主流ではなくTVや出版物の脇役だったということでしょう。「これから先はインターネットの時代になるからとりあえず手をつけておこう」そんな感覚だったような気がします。ある意味牧歌的な時代でした。

 

しかしWebサイトが爆発的に広がり、インタネットがあっという間にメディアの一角を占めると状況は変化しました。副次的なメディアであったはずのWebサイトが重要な役割を持ち始めるとともにPV(ページビュー)重視の風潮が一気に強まりました。それとともに自分や自社のWebサイトの価値を測る指標がPV(ページビュー)一辺倒に染まるまでそう時間はかかりませんでした。SEOの歴史に触れたページでも述べたように運用者の関心も、或いはさまざまなWeb関連のベンダーの売り込み文句もPV(ページビュー)が主役になりました。

 

そのような中で「PV数が本当にWebサイトの価値を表しているのか」という声はあったものの、かき消されがちだった印象を持つのは筆者だけでしょうか。「PV数が大きければ大きいほど良い」と運用者は考え、とにかくそれを一番に求めるという風潮だったと思います。

PV数が大きければそれだけ価値が大きいのか?

「PV数が大きければ大きいほど良い」ということは裏返して言えば「PV数が小さいWebサイトは価値が低い」ということになります。特に商売でWebサイトを活用する運用者にとってはPV数の増加は死活問題になってきます。社内での評価の軸もPV数なのですから当然です。そうなった時、資金の潤沢な大きな組織ならば、ある意味簡単です。資金を投じてひたすらPV数の増加を計る施策を外部から購入して繰り返せば良い、ということになります。

 

ところがそうもいかない場合はどうしようかと手づまりに感じている話もよく出てきた思い出があります。

具体的には、個人レベルの商店などではWebサイトは無視できない。しかしその運用は本業の傍でするしかないので自ずと時間はかぎられる、外注で頼みたくても売り上げの規模からはとてもそんな資金は投入できない、やっぱりヤフーみたいに1日に何百万というPVが来ないとだめなんでしょ、でもうちでは無理だよ、でもインターネットは無視できない、どうしようという嘆き?をよく聞いた思い出があります。

 

「思い出」と書きましたが、これ、実は今でも形を変えてよく聞く声のような気がします。さて実際はどうでしょう。

 次回に続きます。