前回は自然検索の話題から少し脇道に入って検索結果の上や横に表示される広告(リスティング広告)の話を述べました。このお話、少し続けさせていただきたいと思います。
自然検索と広告枠
前回述べたように検索エンジンで検索した際、検索結果の上の部分や横の部分などに「広告」「スポンサー」などという表示がついたテキストのリンクが表示されることがあり、これは「リスティング広告」という純粋な広告枠なのだ、というお話をしました。
広告なのですから審査にさえ通ればすぐに掲載され、ある程度広告費と支払う金額でその表示位置を変えることもできます(もちろん予算次第ですが)。さらにその表示されるテキストの内容もある程度自由に書き換えることができます。
検索エンジンの上位表示を目指してSEO対策を頑張っている立場からすると、似たようなエリアに表示されているにもかかわらず随分違うものだなという印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
お金があればある程度自分で選んだ検索キーワードの結果表示画面に自由に表示させることができるというリスティング広告は即効性も含めなかなか便利な仕組みです。昔ほどではないにせよ、その広告収入がグーグルやヤフーの広告収入のかなりの部分を占めていることからもその有用性を伺うことができます。
そんな便利なリスティング広告ですが、自然検索にない特徴がもうひとつあります。それは広告費用を払うのをやめると表示は消えてしまう、ということです。広告ですから当たり前と言えば当たり前ですが、「金の切れ目が表示の切れ目」といったところでしょうか。SEO対策を頑張った結果、自然検索の表示結果が上位になった場合は通常はその効果がしばらく続くことと比較すると大きな違いと言えるでしょう。
リスティング広告とアクセス数
リスティング広告の運用に関わったことのある方については特に目新しいことではないのですが、そうではない方からすると意外に思われる内容というと、別の角度から見ると、リスティング広告はアクセス数を結果的に「買うことができる」ということが挙げられます。
リスティング広告で表示されている自分の広告をユーザーがクリックすると、次の瞬間自分のWebサイトのあるページが表示されます。つまり、Webサイト側から見ると、リスティング広告から閲覧者一人流入してきたというわけでページビュー数(PV数)が1つ加算されるというわけです。
どのくらいリスティング広告を運用するかで変わってきますが、1日で数百程度のクリックを稼ぐことは可能ですので、1ヶ月で考えると結構な数のアクセスを結果的にはお金で買うことができることもできなくはありません。
ご存知の通りPV数は検索エンジンがあるWebサイトを評価する際の基礎的なデータとなります。すなわちリスティング広告を運用することでアクセスが増大することは間接的にSEO的な効果を押し上げる可能性があるということです。
実際、かつては公開したばかりのWebサイトの集客とSEOの効果を狙ってリスティング広告の導入を案内する運用サービスの会社の提案というものが時々見られました。(現在はどうなのでしょうか。)
いずれにせよ、個人でWebサイトを運用している方にとっては広告はあまり身近でない話題だと思いますが、広告は実はSEOと意外なところで繋がっているのだという程度に気に留めていただければ良いかなと思います。SEOが「ランキング」という本質的に他者との比較の上でなりたつ土俵の上での上位表示を目指すものである以上、知っておいて損はないと思うからです。
次回に続きます。