前回は検索エンジンの誕生について寓話?で解説しました。今回はその後の流れについて、です。
検索エンジンの爆発的な普及
実際の世界での検索エンジンの普及を振り返ってみると、何と言っても検索エンジン「グーグル」の誕生がエポックメーキングな出来事だったと思います。
それ以前にも検索エンジンはありました。
例えば「ヤフー」なども存在していましたが、検索エンジンシステムに調べたWebサイトのデータを登録するのに一部人力を用いていました。それが原因かどうかは断定できませんが、次々誕生するWebサイトのスピードに検索エンジン側の力がすぐには及ばずといった状況が見え隠れしていたと思います。
グーグルの誕生がセンセーショナルであったのは2つの大きな理由があると思います。
1つはWebサイトのデータ集めは全て自動であったと言うことです。それを可能にしたのは「クローラ」です。これはある種のプログラムでありこれがインターネット上を動き回ってWebサイトのデータを自動的に収集してグーグルに蓄積します。自動で、インターネットの上を自在に泳ぎ回って情報を集めてくると言うわけです。「人力」に比べて進歩的なシステムという印象でした。
2つめは調べたい言葉を打ち込んでから検索結果が表示されるまでの時間がものすごく早かったと言うことです。
他の検索エンジンシステムと比較にならないほどの速さは、当時大きなインパクトがありました。
グーグルが誕生してからまもない頃、ある日馴染みの釣具屋さんに寄った時に店主が開口一番、「滝口さん、これからはグーグルの時代だよ、なんと言ったって早いんだから。すぐに試してみたほうが良いよ!」と忠告?された思い出があります。
お店の売り上げの計算のためにPCとエクセルを使っていた人ではありますが、専業でもない人から興奮した口調でこう言われた時に、当時直感で「普通の人にこれだけのインパクトを与えたグーグルは今後大きくなるかもしれない」と思ったことを覚えています。その後のグーグルの発展については申し上げるまでもないことでしょう。
そしてSEOが始まった
グーグルやその登場に触発を受けたより進化した他の検索エンジンの発展により「検索」と言う行為はより幅広い人々に受け入れられていきました。それはWebサイトから見ると訪問者のルートとしての「検索エンジンの比重」が高くなることに他なりません。当然検索エンジンの検索結果の上位に表示されているWebサイトがたくさんの訪問者を集めることができることになります。
このような状況になるとWebサイトの運営者の関心は「いかに検索結果の上位に表示されるか」に向きます。「検索エンジンの上位に表示されるための必須条件は何か、自分の運営するサイトはその条件を満たしているのか」が重要になり、それを実現するための手立ての追求が始まりました。つまりSEOの始まりです。
この頃日本ではSEOを「商品」にして売り込み始めた会社がアウターSEOを中心としたソリューションを次々と売り込み始めました。以前にも述べた通り日本ではSEOというとアウターSEOを指す、という観念ができたのはこの歴史的経緯からすると当然のことだったのかもしれません。
PVという指標
商品としてSEOの売り込みの盛り上がりと共に、PVという概念が広く普及したような印象があります。
PVとはご存知の通り"Page Views"の略であり、ざっくり言うと「ある期間にWebページが何回読み込まれたか」の合計数になります。例えば「150,000PV」は「ある期間に150,000回Webページが読み込まれた」ことを表します。
SEOの売り込みの際にその効果を説明する時に頻繁に使われたことが、PVという言葉が普及するのを後押しする一つの要因になったのではないかと考えます。そう考えるとPVという言葉が今も人々の間に強く焼き付いていることも当然の流れだったのかもしれない気がします。
振り返ってみると「PVという数字が多ければ多いほど良い、そのために(アウター)SEOを導入して数字の増加を図る」という流れができたのは検索エンジンの普及と共に、なるべくしてなった流れだったのかもしれませんね。
次回に続きます。