前回は「アウターSEO」について話をしました。今回は「インナーSEO」について触れてみたいと思います。
インナーSEO、その話の前に
インナーSEOについては前に「ものすごく簡略化して言うとWebサイトのプログラム(厳密にはコード)がグーグルやヤフーといった検索エンジンに理解してもらいやすいように記述すると言うこと」と述べました。すぐに具体的な方法論等について知りたい方も多いかと思いますが、まずは少し引いた目で眺めていただきたいのです。
もしもあなたがまだ検索エンジンが存在しない時代の、たとえばグーグルの社員だったとしましょう。上司があなたに「これからはインターネットの時代になります。他社に先駆けてWebサイトについて知りたい人々を対象としてその人たちのニーズにあったWebサイトを素早く探して提供するシステムを作ってください。これが今日からのあなたの仕事です。」と言われたとしたらどうしますか。
それでは、ということであなたは社内のエンジニアを捕まえて、「いや実は上司から命じられたシステムを作らなければならないのだけど、何か良い方法はないですかね」と聞いてみたら、エンジニアから「システムはもちろん我々で作りますが、あるWebサイトが調べたい人のニーズにあっているかどうかどのように判定するのか、その仕組みはそちらで考えくださいね」と言われてしまいました。
さて、どうしましょうか。
仕組み、と言われてあなたは「そうだ、訪問者の知りたいこと=Webサイトの内容って考えれば良いんじゃないか! 」と思い付きます。続いて「訪問者の知りたいことはどうやって判定しようか、検索ワードという形で知りたいことをまず単語で入力してもらおう。これでシステムは調べたい人のニーズが具体的にわかるはず」と考えました。
たくさんあるWebサイトの内容をどうやって判断したらよいか
「次はWebサイトの内容をシステムが知る方法になるな...そうだ社内の人にWebサイトを実際に閲覧してもらってその内容のレポートをシステムに登録しもらえば良いのではないだろうか」と思い、上司に相談したところ「Webサイトが星の数ほどあるのに、それを一つ一つ尋ねて内容を人手で登録するのは無理です。他の方法を考えてください。」と言われてしまいました。
「うーん、困った」とあなたは腕組みをして目の前のディスプレイに表示されているWebサイトを眺めます。
「...!」ふと思いついてWebサイトの裏側を見てみました。そこには「HTMLファイル」があり、人間の入力した文章や画像、コンピユーターに何かをさせるための見慣れないプログラムらしきものがまぜこぜになった見辛い表示が出てきました。「そうか、このごちゃごちゃのHTMLファイルをコンピューターが読み込んで、われわれ人間が理解しやすいページに変換して表示してくれているんだなあ」とあなたは改めて感心しました。
Webサイトの内容を知る= HTMLファイルの内容を知る
感心しながらも、あなたは思い付きました。「世の中にWebサイトは山ほどあってそれぞれ異なる訳だけど、ひとつ共通することがある。つまりHTMLファイルでできているってことだ。HTMLファイルはWebサイトを作る時に使うプログラムだけど、同時にこれは出来上がったWebサイトの内容を大きなコンピューターであるシステムに理解させる時に使うことができるわけだ。システムは高能力のコンピューターだからきっと自動的に各Webサイトを調べてHTMLファイルの内容つまりWebサイトの内容を蓄積することができるに違いない」
あなたは小躍りしながらエンジニアのところに行き、思いついたことを話しました。
その後エンジニアの部署の全員の協力もあり、Webサイトについて知りたい人々を対象としてその人たちのニーズにあったWebサイトを素早く探して提供するシステムが出来上がりました。検索のために入力された単語にふさわしい中身を持ったWebサイトを、蓄積しているWebサイトの情報に照合してマッチしている度合いの高い順番で提示するシステムつまり検索エンジンが誕生した訳です。
次回に続きます。