前回は「SEO対策」は2つに分けられる、という話をしました。今回はまず「アウターSEO」について触れてみたいと思います。
アウターSEO= SEO対策⁉
前回の解説ではSEO対策は大きくはインナーSEOとアウターSEOの2つに分けられる、と述べました。
そう書いておいて言うのもなんですが、この言葉はあまり日本語の中では聞かない言葉だとも言えそうです。英語の文献では普通に使われているのですが...。特にアウターSEOはほとんど聞かないと思います。
しかしSEOの概念の根本を色付けなしに表す言葉だと思うので、覚えておいていただいてそんはないと思います。
同時にこの「アウターSEO」が日本の中の一般に言われる「SEO対策」を表していることが多いので、これが同じ言葉を使っているのに使う人によって内容が異なる現象の一つの原因かなと思います。
前回、
「『アウターSEO』とは、ものすごく簡略化して言うと他のWebサイトからリンクしてもらう、と言うことです。」
と述べました。
方法論はさておき、検索エンジンも含めて色々なサイトにリンクされることにより訪問者はあなたのWebサイトの存在を知り、興味を持てば訪問してくれるようになります。そのような機会が多ければ多いほどWebサイトの情報発信が高くなることは容易に理解していただくことができるでしょう。例えば商品を売るWebサイトならば、売り上げが増加するという成果も見込めるでしょう。
端的に言うとアウターSEOとはWebサイトがそのような状態になるように目指して具体的な方策を巡らすと言うことです。前回紹介した「グーグルやヤフーで自分のホームページがバンバン出てくるようになる方策」を求めるお客様は、そのような方策が功を奏してたくさんの訪問者が訪れてくれる(≒売り上げが上がる)ことを期待していたのでしょう。
そして盛り上がった「SEO対策」
SEO対策と言う言葉が一般化し始めたと同時に、特に商用サイトの世界においてはSEO対策を売りにしたサービスを売り込む会社が現れました。2010年代のちょっと前あたりでしょうか。
その頃私はWebサイトの企業内管理者だったので、たくさんの会社が売り込みに来たのをよく覚えています。だいたいその売り込みのパターンは決まっていて、彼らのサービスを利用するとWebサイトのアクセスが伸びる、と言うものでした。
どのようにしてそれを実現するのかと問うと、「我々の所有するサーバの多数のWebサイトからリンクするとグーグルの評価があがりそれでアクセスが増えるんです」と言っていました。また別の会社の営業担当者は、Webサイトの見えないところのプログラムに少し書き加えさせてもらえればもっと効果が上がります、とも言っていました。そして、ではそのようにサービスを実施してもらったら料金はどれくらいになるのか、と聞いたところ返ってきた答えは「月額50〜120万円」と言うことでした。
今から思うと「SEO対策狂騒曲」とも言えそうな話ですが、売り込む側だけでなく売り込まれる側も「ライバルの〇〇社は××社のSEO対策のサービスを導入したらしい」なんて真偽不明な?噂話が流れてきたり...。
ICTバブル崩壊後とは言えまだその余熱が冷めない時分だったのかもしれませんね。
そしてこの時に使われていた「SEO対策」と言う言葉が指していた内容はほとんどアウターSEOだったのです。
アウターSEOはSEO対策の半分に過ぎない
昔話はここまでとしてこれまでのお話でお気づきの通り、アウターSEOだけではSEO対策の半分だけをどうにかしようとしているにすぎないと言うことになります。せっかく時間やコストを投入して効果を上げようとするときに、対象領域の半分のことしか考えずに対策を打つのは成功する確率を自らスポイルしてしまうことになりかねない...これは何もWebに限った話ではありませんね。
「SEO対策狂騒曲」の時代ならいざ知らず、現在においては残りの半分つまりインナーSEOのことも合わせて考えていただきたいと思います。これにより効果が上がる可能性の高い方策を導き出して実施し、ぜひ皆様がメリットを得ることができる可能性を上げていってもらいたいと思います。
次回に続きます。