前回は「運用者にとって役立つWebサイトは何だろうか?」という視点に立ってみませんか、という内容に触れてみました。今回はその続きになります。

運用者にとって「役立つ」とは?
運用者にとってあるWebサイトが「役に立つ」または「役に立たない」ということについて話す場合、漠然と「PVの多い少ない」があいまいな基準となっているようだ、と言うのが前回までのお話です。
前回で触れたように個人切り盛りしている商店の方でも「とにかくPVは多い方が良い、うちもそうしたいが人手も予算も投入できないからWebサイトを自分のビジネスに役立てるのは難しい。」と思い込んでいる方が意外と多いと言うのが私の前からの印象で、今も実は大きく変わっていないな、と言う感想を持っています。
商売を考えた時どのような種類のビジネスであったとしてもまず第一歩として考えなければならないのは「商圏」です。簡単に言ってしまえば「どの範囲のお客様を商売の対象と考えるのか」と言うことです。一昔前であれば典型的な商圏の概念はほぼ「地域」を指していました。
個人商店があるものを売ろうとした場合、その対象は市区町村内だったり都道府県だったりします。この時余程特殊な商売でない限りは「世界全部」を相手にすると言うことはほぼないと思います。「うちの店が地球の裏側にどうやって売りに行くの?」あるいは「地球の裏側のお客さんにどうやってアフターサービスするの?」と言うことを考えればそれは当然ですね。したがってビジネスをスタートする時は必ずと言って良いほど現実に合わせて「どの範囲のお客様に売るのか?」と言うことを定めるわけです。
さて話が前に戻ります。漠然と「PV数が大きければ大きいほど良い」と考えることは、「商圏」に例えるならばいわば「全世界を商圏にする」と言うことに近い気がします。もちろん全世界を対象にするような商売であればそれは正解でしょう。
しかしたいていの個人商店にとってそれは正解でしょうか?言うまでもなく実態に合わない可能性が極めて高くなると思います。
以上のお話はある意味当たり前に当たり前すぎるお話なので実際に商売をしている方などは今更な内容だと思います。しかしこれがインターネット上のマーケティングを考える場面ではどういう訳か混同されてしまうことが多いように感じます。そうなると効果的な施策を生み出すのに遠回りしてしまうことが大きなマイナスだと考えます。
インターネットの施策
例えばビジネスに関連したホームページを公開していると、「売り上げをもっと伸ばしませんか」と言うことでホームページの運用やサービスを手がける会社から声がかかってくると言うことがあると思います。もちろんこれが良い施策でありコストも予算に収まるようであれば採用するのは、「あり」です。
その判断をする第一歩は「提案をしてくれる会社がどの立場に立っているのか」を見極めることだと思います。先ほど例に挙げた「商圏」の想定ですね。仮にある街の人々に商品を売りたいと考えている商店が、全世界を相手にした「商圏」を想定した施策を進めたとしても最終的には成功―売り上げの向上―する見込みは高くないでしょう。逆にその商店の商圏を含めたビジネスの基本条件を踏まえて提案してくるのであれば、その会社の提案の検討を進めてみても良いかもしれません。
今まで述べたことはある施策を採用するかしないかを決める際の最初の重要な指標となってくれると思います。
次回に続きます。